競争しない経営とは

輪になって話し合う人々の集団と、その外に一人で立つ女性

競争しない経営とは

競争しない経営とは、比較の土俵から降りて、独自の価値に共感してくれる人とだけ仕事をする経営スタイルです。

値下げも、差別化競争も、しない。
比較されない場所で、選ばれる状態へ。

比較から抜け出す

競合の値段が下がれば、自分も下げる。競合が新しいサービスを出せば、自分も追いかける。

その構造の中にいる限り、判断の基準は常に「他社がどうしているか」になります。

自分の判断基準が、他社(他者)に握られている状態。

がんばってもがんばっても、終わりが見えません。比較を続ける限り、比較される側であり続けるからです。

競争しない経営は、この構造そのものから抜けるという考え方です。

差別化ではなく、独自化

「競争から抜け出す」というと、差別化のことだと思われるかもしれません。

でも、違います。

他と差別化しようと考えている時点で、「比較」が生まれます。比較が生まれた時点で、もう競争に巻き込まれています。

差別化は、比較が前提になりますから。

独自化は、その人・その店にしかない意味を見つけることから始まります。

たとえば、ある製造業の経営者から「卸先からの値下げ交渉に困ってる」というご相談を受けたとき、僕が提案したのは「売り先を変えること」でした。価格交渉をどうするかよりも、売る相手を変えて、喜んで買ってくれるお客さんに届けるほうが楽しくビジネスできますから。

カフェレストランのオーナーさんから、「グレードを上げたい」というご相談に、内装や料理はほとんど変えませんでした。変えたのは、店名とメニューの価格とアイテム数だけ。ほぼ店名を変えるだけで客層とか客単価が変わりました。

今あるものを否定して、ゼロから作り直すのではなく、視点を変えて今あるものの意味を、少しだけずらす。

それが、独自化です。

横並びに並ぶ同じ形の店舗4軒と、少し離れた場所に建つ独自の建物

原点は、9坪のカフェ

企画デザインの仕事と並行して、小さなカフェを経営していた時期があります。

半年以上、赤字が続きました。「閉めるしかない」と思ったとき、「どうせなら、好きなことをやろう」と開き直りました。

競合や市場という、外側に向いていた視点を、自分という内側に向け直しただけです。

業界の慣習も、競合のことも、全部忘れて。自分が行きたいと思う店づくりに、没頭しました。

自分が聴きたい音楽。自分が読みたい本。自分が頼みたいメニュー。自分がかっこいいと思うデザイン。

すると、だんだん、その世界観に共感してくれるお客さんが集まるようになりました。9坪のカフェで、月商300万円以上をキープする店になりました。

視点を切り替えただけで、結果が変わった。

これが、競争しない経営の原点です。

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音楽・本・コーヒーのアイコンが掲げられた、小さなカフェの外観

業種を問わず、起きていること

競争しない経営が実現すると、何が変わるのか。いくつか、事例を紹介します(守秘義務の範囲で、特定できないよう内容を一部変えています)。

雑貨製造業

卸先からの値下げ要求に、困っていました。「デザインへのこだわり」に着目し、個人向けへの転換を提案。ECサイトでの小売を始めたことで、高収益化を実現しました。

造園会社

公共工事の比率を下げて、戸建て住宅やデザイン性の高い造園の仕事を増やしたい、というご相談でした。理想の顧客像を仮定し、その人に向けてロゴマークを刷新。ユニフォームまで含めて世界観を統一しました。ブランドイメージが伝わるようになり、デザイン性の高い仕事の依頼が増えていきました。

不動産仲介業

物件のスペックを並べるだけの、よくあるサイトではなく、物件の世界観が伝わるサイトを作りたい、というご相談でした。物件の雰囲気やそこにしかない魅力が伝わる見せ方を設計。「ここに住みたい」と思ってもらえる人が集まるようになり、貸主・売主からの評価にもつながりました。

自動車教習所

同業他社が近くにあり、立地的にも不利な教習所からのご相談でした。教習生の多くが大学生ということに着目し、「学校を超えて交流できる場所」というコンセプトを提案。看板やツールのデザインを一新したところ、理解されやすくなり、選ばれる教習所になりました。

歯科クリニック

院長がカフェやファッション好きということに着目し、「同じような価値観の人に来てもらう」ことを目的に、医院全体の世界観をデザインしました。インテリア、BGM、置いてある小物までこだわった結果、理想の患者さんやスタッフに囲まれるようになりました。

老舗の飲食店

「お客さんが減っているので集客したい」というご相談でした。自家焙煎や珍しい抽出方法、長年の「歴史」という本質的な価値を、コンセプトとして発信することに。メディアの取材もあり、活気を取り戻しました。

美容室

「どんなメニューにすれば集客できるか」ではなく、「そもそも、なぜこの仕事をしているのか」という問いから、リブランディングしました。メニューを絞り、単価を上げた結果、お客さんの数は減りましたが、いまもゆとりのある経営をされています。

業種も規模も違います。共通しているのは、「比較をやめたこと」だけです。

様々な業種の方から、ご相談いただいています(一例です)。

製造業 美容室 飲食店 幼稚園 医院/クリニック 工場 アーティスト 小売店 教室 造園業 士業 コンサルタント デザイナー 建設業 サロン フリーランス 寺社 大学 運送業 農業
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やり方より、視点の切り替え

同じ手法、同じノウハウを渡しても、結果が大きく分かれる。そんな場面を、企画デザインの仕事を30年続ける中で、何度も見てきました。

その違いを見ていくと、行き着くのは「やり方」ではなく「視点の切り替え」でした。

同じ集客施策でも、比較に追われながら仕方なく行う人と、自分の考えに納得して行う人とでは、伝わり方も結果も違ってきます。

だから、順番があります。

視点の切り替え 行動が変わる 結果が変わる

手法を変える前に、まず自分の視点を変える。それが、遠回りに見えて、いちばん確実な近道です。

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プロフィール

タイヨシフミ

競争しない経営プロデューサー

タイヨシフミ

企画デザイン会社を30年経営し、会社や店舗、医院のブランディングやプロデュース実績多数。自社での飲食店経営も20年経験。壁打ちセッションを通して、経営者が自分らしく楽しく儲かるようになる「視点」を提供しています。

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